子ねこの健康管理(ワクチン)
- ワクチン接種の前に、健康診断を
- ワクチンで免疫力を身につける
- 初めてのワクチンを上手に受けよう
家族に迎え入れられたばかりの子猫は、新しい環境への戸惑いなどからストレスも高まって体力も落ち、病気にかかりやすくなっています。しばらくゆっくりさせてから、動物病院で健康診断を受けましょう。
糞便検査によって寄生虫が見つかった場合は、駆虫剤などを飲ませます。また、猫の健康や生命をおびやかす伝染力の強い病原性ウイルスの中にはワクチンで予防できるものもあるので、ワクチン接種についても相談しましょう。しかし、「猫免疫不全ウイルス感染症(FLV/猫エイズ)」や「猫伝染性腹膜炎」など、猫がかかりやすいのにワクチンがなく、いったん感染すると治療法がない感染症もあります。
捨て猫や野良猫の子猫を拾ったときは、さまざまな病気にかかっている可能性も考えられますので、健康診断をしっかり受けましょう。
生後1~2カ月頃までは、母猫のお乳(初乳)によって体内に取り込んだ免疫(移行抗体)によって、子猫の体はウイルスなどから守られています。
しかし、その母親譲りの免疫力が薄れてくると、いろいろな病気にかかりやすくなります。とくに子猫で多いのがウイルス性の風邪で、鼻水、目やに、くしゃみなどの症状だけでなく、肺炎で命を落とすことも少なくありません。そこで、母親からの免疫に代わって、それらの病気から子猫を守るのがワクチン接種です。
ワクチンで防げる猫の病気には、「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「猫汎白血球減少症」(以上は3種混合ワクチンがあります)と、「猫白血病ウイルス」「クラミジア感染症」があります。
ワクチンは、生後50日、あるいは8週齢前後からほぼ3週間の間隔で、2回または3回接種します。ワクチンの種類、回数、間隔などは獣医師の考え方によって異なる場合もあるので、よく相談しましょう。
ワクチン接種の日は、子猫の健康状態などをよくみて決めましょう。子猫の心身状態をよくチェックするとともに、なるべく動物病院がすいている時間帯を選んで連れて行きます。帰宅後はできるだけ安静にし、接種後1週間は、発熱や嘔吐、下痢などの体調の変化がないか気を配りましょう。ごくまれに、接種直後に副作用でショック状態になることがあるので、接種前後のケアについて事前にしっかり説明を受けることも大切です。